1.陰

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 その後一日の過ごし方や注意を聞いた。  朝は七時起床。着替えたら食堂で全員でご飯を食べる。  学校は八時に入れるようになるので、ここを七時四十分くらいに出る。  学校が終わったら五時まで自由時間。宿題してもよし、遊んでもよし。友達の家に行く時は必ず大人に言う事。  五時からは班ごとに分かれて掃除。トイレや風呂、食堂などみんなで使う場所は週ごとに交代する。自室は班みんなで毎日掃除。  そして掃除が終わるタイミングで職員さん達が洗濯物を部屋に置いてくれているので自分で片付ける。それが終わったら自由時間で七時から夕食。  八時からは各自入浴で就寝時間は九時。  ──だそうだ。  掃除、みんなで出来るんだ。一人に押し付けないだろうか。  自由時間はどうしよう。部屋の隅で静かにしないと。存在が気づかれてしまう。 「じゃあ早速生活部屋に行こうか」  床に置いた鞄とランドセルを背負って部屋を出て、ゆりちゃんの後を着いて行った。 「──ここだよ」  曲がってすぐ廊下にはドアが二つずつ並んでいた。ゆりちゃんは無造作にそのうちの一つ、一番手前のドアを開けた。  部屋に入ってすぐ両脇に二つずつ学習机が並んでいた。床に紺のランドセルが転がっている。  そして部屋の奥には二つドアが並んでいて片方が開いていた。開いた方からは二段ベットと小さな棚が見える。  部屋には女の子が二人と、男の子が一人いた。 「モトくん、ランドセル仕舞いなさいー!」 「うわ、ヤベッ」  モトくん、と呼ばれた男の子は慌てたようにランドセルを椅子の下に押し込んだ。
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