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「アキ、モトくん、祐輔くんごめん待った?」
ユキちゃんが急いで走ってくる。モトは首を振った。
「ううん、さっき来たばっか」
短い終わりの会が終わって僕たちは校門で待ち合わせをしていた。
道は児童だけでなく保護者の姿もありとても混んでいる。
「疲れたね」
「うん、でも、楽しかったな。俺『マジョリン』と『夢から醒めた夢』で泣きそうになったもん」
「モトくん達の『モモ』も良かったよ。祐輔くんの小物もすごいクオリティだったし」
「あたしは?」
「アキ、はじめての学芸会がんばったね」
ユキちゃんは優しく頭を撫でる。
なんて話していると、「おーい」とゆりちゃんが駆けて来た。
初めてこの学校に行ったときとは違って、普段通りのラフな格好で少しホッとした。
「ゆりちゃん!」
「みんな、お疲れ」
五人で歩くと少し狭いけど、なんだか楽しくて。そう思える自分も少し不思議だった。
「どうだった?」
「アキちゃん達の可愛かったよ。アキちゃん浴衣似合ってる! モトくんは時間ドロボウ似合うじゃない。それと小物祐輔くんが作ったんでしょ。びっくりよ。すごい器用じゃん! それとやっぱり高学年はすごいね。私、泣いちゃった」
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