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掲示係、新聞係は確定。足りない分はきっとジャンケン負けした人が来るのだろう。
最終的に、新聞係は四人で、僕、モト、北さんに太陽の家のなっちゃんに決まった。
「はいじゃあ、新しい係の子と顔合わせして、今後の方針について話し合ってください」
なっちゃん以外席が近かったため、なっちゃんが僕らのところへ移動してきてくれた。
「よろしくね」
「おう、よろしく!」
『よろしく』
北さんとはたまに話すし、なっちゃんは太陽の家、という事もありホッとした。まだあまり話した事のない人と関わるのは怖い。
「どういう新聞にする?」
「学校の行事とか、みんなに知ってもらいたい事とか?」
「やっぱそれがいいよね。後は前回の新聞の引き継ぎイラストコーナー作りたいけど……私描けないや」
なっちゃんが軽く息をついた。北さんとモトもうなずく。
「俺描けないけど、祐輔が上手いよ!」
「あ、たしかに。小田くん、学芸会の時小物上手かったよね」
ポンっと北さんが手を叩き、うんうん、となっちゃんが頷く。
ぽっと胸に灯りが灯った気がした。
「小田くん、お願いしてもいい?」
『ぼくで良ければ』
「やったー、これで決まりだね」
にっこりと北さんは微笑み、モトは「やったな」と小さく拍手した。
僕が大きな拍手が苦手、というのを考慮してくれたのだ。拍手に限らず、大きな音は僕を押しつぶす。それは、ママの怒声のように。
「発行頻度どうする?」
「うーん、週一くらいでいいんじゃない?」
「そだねー、二学期もそれくらいの頻度だったし」
「じゃあ、タイトル決めましょうか」
「前回なに新聞だっけ?」
「えっと……『速報! 二組新聞!』だね」
「うーんどうしようか……」
うーんとモトが首を傾げた。
「あっ、『二組ーず』はどう? 定期的にクラスでアンケート取ってさ、みんなに協力して貰ってみんなの新聞作るんだ! あっ、『ず』は複数形ね。」
モトの目は輝いていた。複数形、の意味がよくわからなかったがなんだかカッコイイ。
「いいじゃん」
『モトの意見いいと思う』
「私も賛成」
大体の概要が決まった少し後、話し合いの時間は終了し、各々席に戻った。
その後、早速プリント配布係が配ったお便りに軽く目を通した。
三学期は、大縄大会、子供会、避難訓練があるらしい。
学活が終了した後、先生が「小田くん」と声をかけてきた。
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