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「どうしたらそんな誤解が生まれるんですか」
「誤解…」
パチリと目が合うと、光樹は吹き出して笑い出す。
誤解?本当に誤解なの?
じゃああの会話はなんだったのよ。
じろりと睨む私を見て、彼はまだ止まらない笑いを抑えながらゆっくりと口を開いた。
「遠藤さんは、ヒマリのお友達のお母さんですよ」
「……は?」
「マナちゃんのお母さん」
「マナ…ちゃん…」
マナちゃん。
ヒマリちゃんをお迎えに行ったとき、何度か会ったことがある。
確かヒマリちゃんと仲が良いんだとか…。
「前にね、マナちゃんが僕の実家に遊びに来たんです」
「……」
「遠藤さんが仕事の都合で忙しいからって、預かったんですよ」
「……」
なにそれ。いつの話?
だって私、休日はだいたい光樹と一緒にいる。
ヒマリちゃんもだいたい一緒だ。
なのに私の知らないところで……って、まさか
「確かその日美月は美容院とエステに出かけましたよ」
「そんな日も…あったような…」
「一応夜に、今日はヒマリとマナちゃんと遊んだって、サラッと伝えたんですけどね。まさかそんな誤解をされるとは思いませんでした」
光樹はそう言うと、再びクスクスと笑い出す。
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