第48話 サクヤを連れて王城で国王陛下から話を聞く②

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第48話 サクヤを連れて王城で国王陛下から話を聞く②

「国王陛下。王族や一部の高位貴族たちは、勇者の存在を隠蔽されたのですか?」 「その通りだ。当時の国王たちは、サクヤ殿が突然、行方不明になったことで、逃げたのだと結論付けて、勇者のことを知る者は一部しかおらんかったから隠蔽した」 「やはり、そうでしたか。  でも勇者の存在を最初から民に公表しなかったので、別の思惑もあったんでしょうね」 「そうだろうな。自身がやろうとした後ろめたいことを子供に話すわけがないから、当時の国王たちがどうしようとしていたのかは、伝えられていない」  まあ普通の親は、子供に自分のいい部分しか見せようとしないからね。  お父様の様に子供を疎ましく思い、捨てるようなダメ親もいますけどね。 「だから、私の推測になるが、国王たちが勇者のことを公表しなかったのは、自分たちに出来なかった魔王を勇者が倒してしまうと、王家より人気となり支持者が増えてしまう恐れがあること。  そして脅威だった魔王をもし倒したら魔王以上の力があることになり、新たな脅威になるから……」 「魔王を倒し得る力をつける前か、倒した後に冤罪でも着せて、亡き者にしようと考えていたってところですかね」  国王陛下が言うのを躊躇したので、私が代わりにいってあげました。 「その通りだ。人とは、愚かなものだからな、脅威が去っても、それが脅威だった魔王を倒し自分たちを救ってくれたた者であっても、新たな脅威になりそうな者を排除しようとするからな」  その通りだね。乱世の世や後継者争いで、自身のために身を削って戦って大きな功績を残した家臣を平定されたら、反逆を恐れて、武力を削ぎ、大した役職につかせず、できるだけ遠くへ追いやるのが世の常だよね。 「やっぱり、そうなっていたんだろうね。  薄々は、そうなるんじゃないかと思ったから、魔国に残り暮らすことにしたからね。  魔王を倒したことを国に報告しなければ、僕の存在をなかったことにされるだけで、命を脅かされることもないからね」  大体のことがわかったので、もう聞くこともないから、大変だったねという思いを込めて、抱きしめてあげたかったけど、身長差がありすぎるので、サクヤの足にしがみ付き、ギュッとした。 「アイリスとサクヤ殿は、仲がいいですな。  カイルが見たら嫉妬するぞ」  はい。そうでしょうね。  私が前世で、サクヤと結婚するはずだったと知って気を失い、目覚めたら殴り合いをしましたからね。 「カイルは、既に嫉妬しまくりだぞ。  二人は同じ国で暮らしていて、サクヤが召喚されず、アイリスが前世で殺されずにいたら、結婚するはずの婚約者同士だったらしいからな」 「「!!」」  ルシフェルが国王陛下とエリック宰相様に私とサクヤの関係を説明した。 「なるほどのぉ。アイリスは、今世でもサクヤと結婚したいと思っておるのか?」 「今のところは、そういう気持ちはないですね。  記憶はあっても、今の私は三歳児ですからね」 「僕もそうですね。再会は嬉しかったですが、流石に三歳児と結婚するなど、体裁が悪いですからね」  そうだよね。貴族では青年と幼女の婚約は、無くもないらしいけど、前世での認識だと完全にアウトだからね。  日本でもお互いが結婚できる年齢になってからの結婚ならば、同じ年齢差でもあっても驚かれはするけど、受け入れられ祝福されるけどね。 「それでな。アイリスとサクヤの話を聞いたカイルがショックで、気を失って倒れたんだ。  その後、目覚めたカイルとサクヤが殴り合いして、アイリスから説教されていた」  ルシフェルは、昨日の出来事を全部説明した。  そんな事、話さなくっていいから…… 「えいぃ」 「ウグゥッ!!痛った!!」  余計なことを話し続けるルシフェルの足に蹴りを入れた。
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