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【4】
閑静な住宅街に午後の光が差している。
天気予報によれば今日は一日中晴れの空が続くらしい。
ようやく春らしい天気が訪れた。
ある一軒家の玄関先。
青いキャップをかぶった亮太は、小さなダンボールを客に手渡した。
「ありがとうございました!」
亮太は受領の印鑑をもらうと頭を下げた。
警察官を辞めた亮太は、配達の仕事についていた。
――警察を辞めてから数年が経っていた。
配送車に戻る時、隣の一軒家の玄関が開いた。
チラリとそちらに目をやると、夫婦らしき男女が出てきた。楽しそうにお喋りをしながら、玄関前に広がる庭を歩く。
その女性の顔を見て、亮太は思わずあっと声を上げた。偶然の悪戯に、全身が震えた。
これは神様からの最後の贈り物かもしれない。そう思った。
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