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一週間が過ぎた。
亮太の描いた計画は順調に進んでいった。
「亮太くん、すごい。わたし、一切疑われていない。どういうことなの」
スマートフォンの向こう。彼女の声に安堵の色が浮かぶ。
「オレは刑事だよ。何とでもなるさ」
亮太は薄く笑った。
彼の計画とはこうだった。
ここ一ヶ月、都内で連続強盗殺人事件が発生していた。
そのヤマに、今回の沖野 洋祐(杏菜の夫)の事件を紛れさせたのだ。
亮太はその連続殺人事件の捜査員だった。
その犯人の手口を忠実に再現し、杏菜の事件も同じ犯人の仕業と見せかけた。
計画は面白いように進み、捜査本部は連続殺人事件と関連づけて捜査を開始した。
「そろそろ捜査会議が始まる、また」
亮太はスマートフォンを切った。
同時に、後ろから肩をたたかれた。
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