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振り返ると、捜査の相棒である矢岡が立っていた。
彼は警視庁捜査一課の刑事で、亮太より階級も年齢も上だ。
「矢岡さん、お疲れ様です」
小さく頭を下げる亮太に、矢岡は眉根を寄せて語りだした。
「今回の沖野洋祐の事件だけは不自然だと思わないか?」
ドーベルマンを想起させる矢岡の眼光。
「というと……」
「オレはこのヤマだけは、別の犯人だと睨んでいる」
亮太の背中に嫌な汗が滲み出した。
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