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no.3
舞う蝶に狙いを定める口縄の夜。。。
「乗れ。」
勇紀の運転する高級車が、勤めを終えた一美の前に横づけすると、青年は、緊張の面持ちで、指示に従い、車に乗り込んだ。
勢いよくアクセルを踏みこむと、車は、一気にスピードをあげ、深夜の市街地を走り抜ける。
一美は、怖々と運転席の男を見ると、自分の行く末を案じた・・・・一家が離散し、これ以上、最悪な状況など、田舎者の青年が想定できる範囲を越していた・・・・
リュックをしっかり抱きかかえ座る一美は、まるで、連れ去られた家出少年のように、縮こまっていた。流れるように消えていく景色が、不安を煽る。「僕はどうなるんだろう。。。」
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