関わること

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 俺は小さい頃から、友達とかそういうのを作るのは得意な方じゃなかったんだ。自分からは他人に声をかけるなんてことできなかったから。だから、保育園の自由時間とか、小学校の休み時間とか、1人で何かしてることが多かったんだ。  俺はこんな感じで成長していって、中学に上がった。中学は地域の3つの小学校が合同になるから、小学校の時より大幅に生徒数が増えた。入学式終わってからのHRのあと、気付いたら周りは初対面同士の人がお互いに自己紹介したり、同じ学校の人たちで集まったり、着々とグループを作りはじめていたんだ。だけど俺は、そういうことをしなかった。まぁ、できなかったっていうのが正しいかもしれないけどな。この時の俺は、そうなることを知ってたから、家から持ってきた本を読み始めた。友達ができない俺にとっては、本が友達みたいなもんだった。
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