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本を読んでいれば、その世界に入れて、周りのことなんか気になんなくて済むし、物語は楽しいから。入学してからしばらくの間、授業以外の時間は、本の世界を楽しむ時間を過ごしていった。
だけど、その時間を過ごすことが出来なくなる日が来たんだ。小学生の時から不良になるかもって言われてた人達が、俺に絡んできたんだ。
「なぁ、そこの読書家くん。俺たちと遊ばない?」
最初は俺に言われていると思わなくて、気付かないフリをした。
「おーい。お前だよ。確か、橘くん」
そう言って、俺の肩を掴んできた。
「え、僕?」
ここでは俺って言ってるけど、学校では僕って言ってたんだ。
「そうそう。てか、読書家の橘君なんて、このクラスに君ぐらいしかいないけど?」
「ゴメンなさい。僕に言ってるとは思わなくて」
「そっか。まぁ、今回は許してやるよ。それより、俺たちと遊ばねぇ?」
「えっと…」
「何?なんか文句でもあんの」
この時のこの人は聞いてるようで、聞いてない感じがした。否定を許さないようなそんな感じ。俺はその威圧感に押されて、答えた。
「いえ!」
「じゃあ、今日の放課後、玄関にこいよー」
そう言って、不良グループの人たちは離れていった。
「(どどうしよう。あんな人たちと絡んでたら、僕どうなっちゃうんだろう…)」
俺は頭を抱えたんだ。
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