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ユウコさん
これは私立野梅高校に通う、仲睦まじい女子高生3人。ちょっとおバカなマホ、ちょっと強面なチトセ、ちょっと変態なユウコによる日常の淡々としたやり取りがメインの、ちょっと変わった物語であるーー
この日3人は、いつものように放課後、歩きなれた線路沿いの通学路を歩いて、遊び先を決めていた。
チトセは目に入ったごみを取ろうと、こすっていると隣を歩くユウコが
「どうしたの、もしかして好きでもない人の子供をーー」
チトセは、すかさず言葉をかぶせ
「ーーやめろっ! ちげぇよ、泣いてるわけじゃないから。ゴミ入ったっぽくて、微妙に痛いんだよね」
「あら、そう言う時はこすらない方が良いのよ。瞼の裏とかに入っちゃうから。
ここは線路が近いし、鉄粉でも入ったのかしら。意外と線路からの鉄粉って飛ぶのよ」
「え、マジで? よく知ってんなそんなこと……」
「ちょっと待って、ミネラルウォーターあるから、これで流せば良いわ。まだ口付けてないから大丈夫よ」
と、チトセの目の前にミネラルウォーターのペットボトルを差し出す。チトセは、手を振って
「え? もったいないだろ、いいよ」
しかし、ユウコは強引に持たせ
「いいから、気にせず使って。はい」
「マジで? あぁ、ありがと」
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