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それはピッチャーライナーとなって飛んでくる。
その時、自分の顔のすぐ横で
「パーンッ」という鋭い音が鳴り響いた。
その場の空気が一瞬止まる。
秀介は恐る恐る自分のミットを見た。
「と、取った…」
アンパイアが拳を空へ掲げた。
「スリーアウツッ!ゲームセッ!」
チームメイト達が駆け寄ってきた。
皆に頭を叩かれる。
「やったな、秀介!」
特に円谷先輩からのが痛かった。
秀介は皆から離れると観客席へ走る。
そして息を切らしながらまりあの前に立った。
「よお、ミサはどうしたんだよ」
「さあ?
マウンドで鳴いてる仔羊ちゃんがメェメェうるさくて」
二人は笑顔を見せた。
その時アンパイアから整列を促される。
秀介たちは
ホームベースの前に並び、帽子を脱いで礼をする。
「気をつけ!ありがとうございましたッー!!」
「ありがとうございましたッー!!」
こうして秀介のイップスは終わりを告げた。
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