神様のご褒美

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「こら、お前たち。あまり言うてやるでない」  あまりの言われように固まるカワジの代わりに、座敷童子がたしなめる。  ──さて、いつまでこうしていたらよいのか。 「カワジ。満足か?」  大和としては要望通りかがんだ。その状態で先ほどの体勢をすると、体格の違いから今度はカワジの手は壁に届かなくなっていた。 ひらひらっと指先を一生懸命動かし手を壁につけようとしているが、この身長差では壁ドンが無理だと気づかないのだろうか。  大和のたたんだ膝の分だけ距離は遠くなっているし、ただじゃれているだけにしか見えない。  カワジの言うぐわぁっとは程遠く、これでは結局何がしたかったのかわからない。 「うっ、うっ、うぅぅぅぅ〜。やまと〜」  情けなくぐすんと鼻をすすり出すカワジは相当悔しかったのか、すがるように見つめてくる。  仕方がない。大和は、ふぅっと吐息を吐き出しながら瞳を和ませた。 この珍妙な時間を彼女が戻って来るまでに終わらせるには、この妖を満足させる方が早いだろう。 「結局、どうしたかったんだ? 壁ドンは身長差がありすぎてカワジからは無理だろう」 「だって、壁ドンしたかった……」
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