神様のご褒美

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「だから、なんで?」 「えっと、怖かったのと、……大和とちゃんと話したかった、から?」  自分でもよくわからないのか、首をひねり疑問符が返ってくる。 つまり対等に話すために壁ドン。つまりも何も、さっぱりわからないがとにかく自分のことが気になって仕方がないということはわかった。  うむむぅっと納得いかないとばかりに、カワジは頬を膨らませていく。どこまで膨らむんだっていうくらいぷっくりして、まるでフグだ。 「せっかく神様に願ったのに〜。これって失敗? 失敗なのかなぁ?」  ぶつぶつ言いながら落ち込んでいくカワジの言葉に、大和は呆れた。  もしかして、春日大社で再会したあの日にそんな約束を? というか何を? もしかしなくても壁ドン? ご褒美がどうとか言っていたが、なんともまあ妖と神様の関係は可愛らしく思える。 実際、そんな単純なものではないのだろうが、この妖だからか。そう納得させるものがこのカワジにはあった。 「何を願ってるんだ」 「だって、悔しかったから。それで、今だぁって思って!!」 「……ああ、わかったから。これでいいだろう」  そう言って、大和はカワジの両脇に手を入れて抱っこした。 「ひゃわぁぁぁ〜」  カワジが驚きあわあわと手足をバタバタさせる。 「じっとしろ。こうして目線を合わせたら対等だろ?」
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