12月1日 15:28 曇り 気温10度

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「今が転機です! ここはオシャレして『心機一転』しましょう。あなたにお似合いのオレンジコートが二階の『婦人服フロア』にありますよ」  私はコートの写真を見せた。 「ちょっと若すぎないかしら? これ着る自信ないわ……」 「そんなことないですよ? 今から私が『マジック』をかけます、見ててください」  私は魔法の杖を取り出すと、おば様の前でクルクルと回して振った。  3Dカメラでおば様のボディをスキャン、立体モデルにコートのスキンをマッピング。 「それぇ!」  たくさんの星がパアッと輝く演出をした後に、オレンジコートを着たおば様の姿をクルリと画面の中で回転させてみせた。 「あら! すごい! いい感じねぇ」 「お似合いでしょ?」 「そおねぇ、いいかもしれないわ。これにしてみようかしら」 「二階の『婦人服フロア』に在庫がありますので、ぜひ寄ってみてくださいね」 「うん、色々ありがとう。あの……あなたのお名前は?」 「私ですか? 私の名前は『トーコ』です。困った時はいつでも声をかけてくださいね?」 「トーコちゃん、それじゃまたね」  おば様は元気を取り戻し、手を振りながら、デパートの入口に向かっていった。  私はトーコ、  立体ホログラムディスプレイのガラスの箱の中で、  みんなの幸せをお手伝いするのが、  私のお仕事
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