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「自分でも情けなくなるよ。そこまでしてでもきみを独り占めしたい。きみの言うとおり、きみは友達も多いし仕事もできたからね。どこか遠くに連れていって僕しか出入りできないところに閉じ込めておくしかないと思った。バカだね」
「駿ちゃん……」
「ずっと考えてたんだ。きみが僕を愛してくれているよりずっと僕がきみを愛するほうの愛情が重いんじゃないか、と。八年前からずっときみのことを考えて毎晩のたうち回っているのがひとり相撲なんじゃないかと」
「そっか……」
「そう思ったら、怖くて。いつか捨てられる、と思うと、どうしたらいいかわからなくて。でもこんなの気持ち悪いよね、ごめん」
葉乃子は頷いた。
「そうね。よし」
「そう、だから――」
「セックスしよう」
「あれっ!? この流れ、そういう流れ!?」
「からだでわからせてやる! バカやろう!」
横から抱き締めた。彼の頭を抱え込んだ。彼は少しの間体を硬くしていたが、そのうちやわらかくなって、葉乃子の胸に頭をもたれてきた。
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