序章

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序章

○✕□△年4月上旬 これは、日本のある4人の男子高校生がおくる高校生活の始まりである。 ことは1ヶ月前へと遡る。 とてもありガチな夕方の河川敷にて、今年から高校生となる4人の男子がいた。これから入る高校がとても心配らしい。 「なぁ、俺たちは高校卒業したら組の若頭になるじゃん。中学は地元とかのそういうあれでちょっと学校での視線がさぁ、なんかあれじゃん?居づらい?っていうかまあ怖がられてたじゃん?」 背が高い、顔怖めのガングロが言う。 「じゃん使っても可愛くないッスよ。まあ、でも顔が怖いのは大智(だいち)もともとッス」 それを辛辣に言い返す、髪型金メッシュの語尾ッス男。 「そんなことねぇーし!!んだよ、陽翔(ひかる)意地悪すんなし」 拗ねるガングロ、これが大智である。 横で嘲笑う金メッシュ、これが陽翔だ。 「陽翔、いじめたんなや。気にしとんやで大智は」 それの仲裁に入り、地味にまた大智を傷付けたのは関西なまりの人である。 「京介(きょうすけ)が一番傷に塩を塗ってるッス」 「えっ、あっ、そう?ごめんな、大智」 大智に謝り背中にポンと哀れみの手を置く、これが京介である。 「京介、もういいから早く帰ろ。このバカ共2人はほっといて」 早く帰りたいと言う彼はカバンにこれでもかとキノコグッズが着いている、まさしくキノコオタクである。 「「バカって言うな!ッス!」」 「バカって言った方がバカなんだぞ!」 「そうッスよ!」 「そう言うなや(りょう)、2人もこんな話するためにここ来たんちゃうし」 「僕は早く、可愛いキノコ達のお世話をしなきゃいけないんだ。早くしろよ」 ムスッとした顔で不のオーラを放つ、これが良である。 「でや、俺らはとりあえず今後の高校生活どうするんや?同じ林道高校(りんどうこうこう)に通えるけど結局親父から出された課題で山積みやで?」 「課題?ってなんかあったけ?」 「大智、もう忘れたの?この間の組長会合で僕達は体術と剣術、あと組の精算も若頭がやるからその勉強とか...」 「体術と剣術は結構前からやってたじゃん?」 「ちゃうちゃう、今回はカンフーとかあっち系やって聞いたで?」 「もう俺嫌ッスよ?投げ飛ばされるし、くらうと痛いし」 「僕だって嫌だよ」 「良はちっさいしな」 その言葉に良は、大智の耳をつねる。 「誰がちっさいって??」 「イッて!!」 「まぁまぁ。課題やってとりあえず普通に友達出来たらええな」 「普通のが出来ないから困るんッスよ」 どこか遠い目の京介と陽翔...、それを聞いた大智と良は何も言い返せなかった。 そう彼らに着いてくるのはそこら辺のチンピラやヤンキーばかりだ。 「「「「はぁ〜」」」」 友とはなんぞや?...4人のため息は夕方の春の寒空へと消えて行くのであった。
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