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今日の戦利品を確認し終わって。
また袋の中へと戻そうとした時、船内へと続く扉がガチャリと開かれた。
「話し声がするから来てみれば、漸くかよ。」
「悪かったね。何?寝てたの?」
欠伸をしながら、眠そうな目で頭をガシガシと掻いている晃に視線を向ける。
金色に光るその髪色は、朝日に浴びてキラキラと輝きを見せていた。
「待っても来ねえからな。拓も廉も寝ちまったよ。」
「遅いって文句垂れてたよ。」
律が晃の言葉に付け加えるように口にする。
はは、とあたしは笑うしかない。
「起きたら、謝っとくよ。」
そう答えて、あたしは晃に宝を詰め込んだ袋を渡す。
「いつも通りよろしく。」
「換金くらい自分でしろよな。」
ふっかけんのは、あたしより晃の方が向いてる。
だからこうやって毎度晃に任せるけれど、当の本人はあまり好きではないみたいだ。
単に面倒くさいからなのかもしれないけど。
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