波乱の幕開け

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「あたしも一眠りしてくるわ。あ、船は出して進めといて。」 ぐっと背伸びをして、あたしは船室へと向かう。 晃は欠伸を出しつつも、言われたよう帆を張る準備を進める。 「着いたら起こしてー。」 ひらひらと後ろ手で軽く振り、バタンと甲板と繋がるその扉を閉めた。 そうしてそのまま自分の部屋へと向かい、備え付けてある簡素なベッドに倒れ込んだ。 ギシッと、軋む音がしたのは勢いが良かったせいかもしれない。 「着替えんの面倒くさ……。」 ポツリと呟いて、そっと目を閉じる。 初めは、気持ち悪かった。 シャワーを浴びても、その嫌悪感は消えやしなかった。 でも、今はもう何も感じない。 どうしてあたしが夜明けに帰ってくるのか。 きっと皆は知らないだろう。 言うつもりも毛頭ない。 汚れるのは、あたしだけでいい。 その決意は、これからも変わらない。
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