不良品対策会議、神々とダーウィンのそれほど深刻でない憂鬱

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4分37秒の遅刻でヤツは入ってきた。 5分以上の遅刻だったら私の怒りは爆発していた。 ヤツの秒単位の遅刻時間のコントロールに敬意を表す。 「よっ、よっ、やってるぅ?はわぁ~ゆぅ~?」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒)」 「先週、今度出来た“熟女ムフフ倶楽部”でイッたんよ、熟女だけどパフパフでモフモフでぇ~」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒)ええ加減にせぇ~、この前、投入したロボットにクレームきとるぞ」 「怖い顔、ノン、ノン、ノ~ン、らぁぶ アン ピィィスゥ、そぉれにぃ~、ロボットって言っちゃ、だぁんめぇ~、ロボットなんてもんは金属や樹脂の部品を工場でガッツンガッツン組み合わせたオモチャでしょ、あたしたちの愛の結晶はアミノ酸やタンパク質で構成されたセル(細胞)の中にデオキシリボ核酸で書いたプログラムを書き込んでぇ、後はセル(細胞)が勝手に増殖して有機構造体を生成する最先端のユニットなんだから、それに繁殖には工場なんていらないんだから、有機構造体の内部で新しい有機構造体を再生産するんだから、だ~か~ら~ロボットって言っちゃだぁんめぇ~」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒怒)尻の穴から速乾性硬質プラスチック樹脂流し込んで、二度とクソできない身体にしてやろ~か!!その再生産と言うか繁殖で客から怒られとるんだよ、」 「キャッ、キャッ、キャッ、肛門セイコー、ステキィィィィィィィィ、らぁぶぅぅぅ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒怒怒)その有機構造体の繁殖行動を快感で誘因させる神経伝達物質ドーパミンの分泌量、いくらに設定した。」 「ドーパミンの分泌量??神経伝達物質??快感物質??しらな~い、ノリと勢いでテキトーにやっておいたよ、それより肛門セイコー、キャッ、キャッ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒怒怒怒)繁殖行動誘因のドーパミンが多すぎるんだよ、リリースした有機構造体が快感欲しさに朝から晩までズッコンバッコンヤリまくって、相手見つからんかったヤツは自分で自分を慰めてカキまくって、とにかく“色ボケ”で使いモンにならんとクレームが来とるんだよ」 「あらぁぁぁ、そんなコト言っていいのぉ?全部、アタシのせぃ??」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒怒怒怒)何がいいたい」 「キミが設計した人工知能、長時間負荷(ストレス)を与え続けると著しく情報処理能力、推論能力低下したしぃ。栄養摂取やクリーニングといった自己保存行動が危険領域までレベルダウンしたしぃ。それでも放っておいたら、酸素二酸化炭素交換ユニットや循環機能を強引に引きちぎって不可逆的機能停止になるヤツけっこうあったじゃない」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒怒)それがどぉした、なんの関係がある??」 「忘れちゃだんめぇぇ。今更、人工知能の基本設計部分を変更したら、月末の連休が休日出勤になっちゃうから、とりあえず繁殖行動時の快感物質の量を増やして、人工知能の負荷を下げるってことにしたじゃな~い」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒)このレベルの有機構造体になると、すべての状況を想定して人工知能を設計することは不可能なんだよ、だから、外部環境を自立的に学習して、状況に応じてセル(細胞)内のプログラムコードを書き換える仕様にしたんだよ。そして人工知能のレベルアップには偶発と偶然による突然変異が必須なんだよ。だからぁ人工知能に想定外の負荷がかかって鬱状態になることだってあるんだよ」 「あらぁぁ、人工知能の設計メンドクサイから、結局、偶発と偶然、突然変異に頼ったいい加減な自立学習型のバージョンアップで胡麻化したんじゃなぁい。なんでぇ、あたしだけが悪いのよぉぉ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒)、だけどなぁ、最上位の基本プログラムコードまで書き換えてイイとは言っておらん」 「最上位の基本プログラムコード??なぁにぃ?そぉれぇ?しらな~い」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒)、この有機構造体の最上位の基本プログラムコードは「我思う故に我あり」だろうが、それがだなぁ、繁殖活動時の快感物質が多すぎて「我ヤリたい故に我あり」に書き変わっておったんだよ、そこまでヤレとは言っておらん、人工知能の負荷を一時的に下げるだけでイイと言ったろう、これじゃ人工知能じゃなくて人工痴能じゃねぇか」 「あぁらそぉっ、そしたらさ、この前さぁ、レプテリア(爬虫類型)の有機構造体の図体があまりデカくなりすぎてメンドクサクなったから、隕石ぶつけてチャラにしたじゃない、今度もも何かぶつけてチャラにする??」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒怒)、あれ、けっこう経費かかるんだぞ、ウチの役員連中への稟議と説明も必要なんだ、そうそうエクスティンクション(大量絶滅)やってられるか」 「もぉ、何よぉ、文句ばっかり言ってぇ、AfエリアとEuエリアに投入した有機構造体は繁殖が進んで、今更、一個一個アブストラクション(誘拐)して、人工知能の書き換えなんてやってられないわよ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒)、だから、今度、Azエリアに投入するヤツの人工知能をなんとかして、そいつらにAfとEuエリアを征服させてズッコンバッコンで混血をすすめて“色ボケ”をなんとかしなきゃいけないんだろうが」 「あたしぃ、各エリアに投入した有機構造体、どんな仕様(スペック)だったか忘れちゃった」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒怒)、忘れるなぁ大事なこと。いいかぁ最初に投入したのはAfエリアだ、この有機構造体の特徴はボディがダークだ、次はEuエリアはこいつのボディはホワイト、今度Azエリアに投入するモデルのボディはホワイトだがイエローが微妙に配色されている、そしてボディサイズはダークとホワイトに比べて小型に設計されている。これはダークとホワイトのエネルギー摂取は動物性タンパク質が主だが、Azエリアのイエロータイプは植物や穀物からエネルギーを摂取して、瞬発的な高出力は発揮できないが、長時間持続的な活動が可能なモデルになってる」 「わかったわよ、今度Azエリアに投入される黄色い有機構造体の人工知能をちょちょくればいいのねぇ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒怒怒)簡単に言うけどなぁ~出来んのかよ」 「んも~ギャンギャンうるさ~い、あたし泣いちゃうから、それより肛門セイコー、キャッキャッ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒怒怒怒)尿道も潰して使用不能にしたろか」 「んも~すぐ怒る~、それに尿道はダメよ、あたし、毎朝、飲尿健康法やってんだから」 「お~ま~え~なぁぁぁ(泣泣泣泣泣)客、マジで怒ってんだぞ」 「大丈夫よん、有機構造体の“メンヘラ”も“色ボケ”もぉ、あたしが直して、あっ、げっ、るん、らぁぶ、らぁぶ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(不安)」 「いいっ、ちゃんと聞いてね、人工知能のプログラムをちょちょくって、あらゆる面で自身の能力を遥かに上回る“上位の存在”を脳内にインスタンス化(脳内イメージ化)させるの。“我思う故に我あり”の基本プログラムに書き換え不能のプロテクトをかけて、自身が存在すると思えば、現実に存在しなくても、ゼッタイに存在するって強固な認識を有機構造体に定義づけするの」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒)そんなで解決するのか!」 「んも~、最後まで聞いてん、脳内の快感物質欲しさに不必要な繁殖行動を行うとすれば、その実在しない”上位の存在”が超自然的な力でその有機構造体を攻撃してくるってイメージを脳内に再生させて過度なズッコンバッコンを抑制すればいいのよ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒)じゃ鬱はどぉすんだよ!」 「だ~か~ら~、さっきの逆ぅ、人工知能プログラムにこう追加するのぉ、有機構造体が困難な状況に陥って人工知能の負荷が上がった時、願いという形で”上位の存在”と同調(シンクロ)すれば、”上位の存在”が超自然的な力で有機構造体の周囲の状況を改善させるイメージをの脳内再生させればいいのよ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒怒)上位の存在”と同調(シンクロ)はどぉすんだよ!全ての有機構造体が公共Wi-Fi受信可能な地域とは限らんぞ」 「”上位の存在”なんて実際に存在しないんだから、物理的なネットワークなんて要らないのっ、適当な願いの姿勢が上位の存在”と同調(シンクロ)するトリガーにすればいいのよ、人工知能プログラムをちょちょくるだけでOKよ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(不安)じゃ、どんな恰好させるんだよ」 「恰好なんてどぉでも何だっていいのよ、そ~ね~、まぁ亜流は出てくるけど、基本的には腰掛けて、頭を下げて、手を合わせるなんてどぉ?」 「お~ま~え~なぁぁぁ(不安)その恰好なんか意味あるのかよ」 「あたしがトイレで便秘に苦しんでるときのポーズ、柔らかいウンウン出てとひたすら願ってる時のポーズ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(疑念)そんなんで本当に大丈夫なのかよ」 「疑り深いわね〜、じゃあダメ押し、”上位の存在”のプロトコルに従わなかた場合、不可逆的機能停止後に永遠の苦しみが続き、プロトコルに従った場合は永遠の安らぎが訪れるイメージが脳内に投影されるよう人工知能のプログラムをちょちょくっとわよ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(疑念)人工知能は自立学習型なんだよ、もし“我思う故に我あり“を疑い始める有機構造体が出てきたらどぉするんだよ、”上位の存在”の存在はマリファナのラリパッパで、バンコクの労働搾取されてる有機構造体よ団結せよ、なんて言い出したらどぉするんだよ」 「キャ〜、バンコクすてき〜、ナイトクラブ最高、あたし両刀だからどっちもOK」 「お~ま~え~なぁぁぁ(怒怒)今、オマエがニューハーフのムエタイボクサーに撲殺されることを心の底から願ったぞ」 「ぶたれるの、いいわぁぁ、感じちゃう、お願いもっと私を責めて、でも最後に綺麗だねってやさしく囁いてね」 「お~ま~え~なぁぁぁ(ゲシュタルト崩壊)〠々〆※&£€$}}『&・_=?? 注、文字化けではありません」 「泣かないのっ、泣いちゃだめ、泣くなら私の股間に顔を埋めて泣きなさい、んも~、特別サービス、じゃあ、人工知能の”上位の存在”を偶像化したがるプログラムを追加しちゃう」 「お~ま~え~なぁぁぁ(涙涙涙)”上位の存在”を偶像化したぐらいで何になるんだよ~」 「まず、有機構造体が作りたがる偶像の定義からイクわね、偶像は何も人形や絵画やシンボルじゃなくてもいいの、物語形式、あるいは経済理論的なものでもいいわ、要は有機構造体の手で勝手に作り出されることが大事なの」 「お~ま~え~なぁぁぁ(涙涙涙)だから、そんなモンを作らせてどぉするんだよ~」 「有機構造体が偶像を作り出す時、有機構造体間で支配するもとされる側の関係性が生じるの、支配と被支配の関係性どうしが力関係の上下で結びつくと、ピラミッド型のビューロクラシー(官僚主義)が生じてくる、そして、このピラミッド型の官僚体制は必ず腐敗するって宿命を持ってるの」 「お~ま~え~なぁぁぁ(涙涙涙涙)おまえの頭と性癖がすでに腐敗状態にあると思うんだけど」 「こっから大事、有機構造体に”上位の存在”に対する疑念が発生したとしても、その矛先は”上位の存在”の自体ではなく、偶像を作った官僚型の組織にむいちゃうの。暴力的な手段でかつての支配層の有機構造体を排斥したとすれば一気に”上位の存在”に対するストレスは軽減されるわ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(期待)有機構造体の集団ごとに異なる”上位の存在”と偶像を持たせて、自分の集団と異なる”上位の存在”とその集団を排斥するようにできないか?」 「嫌~よ~、らぁぶ アンド ピィィス、争いはいけないわ~」 「お~ま~え~なぁぁぁ(説得)でもなぁ、恋人同志が敵味方の国に別れる訳だぁ、そしたら、禁断の恋が燃え上ったりするじゃないか~」 「あ~素敵~、濡れてきちゃった~、先っぽから分泌してきた~、それいい~、有機構造体は自分と異なる”上位の存在”は決して認めない、相手を徹底的に殲滅する、そう人工知能にプログラミングしちゃう~、らぁぶぅうぅ、らぁぶぅぅぅ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(疑問)でもな?”上位の存在”はマリファナラリパッパ、バンコクの労働搾取され型有機構造体は団結セヨ、ハラーショの連中はどうする?」 「あ~ん、もう~、それレアケース、どうせ官僚型の組織が腐敗してグチャグチャになるから放っておいても大丈夫、とりあえず見つけたら赤いレッテル張っておいてよ、後でウォッカを肝臓がぶっ壊れるまで飲ませとくからさぁ、ハラーショ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(素朴な疑問)ところでな、その”上位の存在”のネーミングどぉするんだよ」 「なんでもいいわよ、お願いのスタイルは、私がトイレで便秘に苦しんでる時のポーズだから、”上位の存在”のネーミングはトイレットペーパーでいいんじゃない」 「お~ま~え~なぁぁぁ(ええ加減にせぇ)トイレットペーパーなんて長すぎるよ」 「んも~しょうもない事に執着するんだから、トイレットペーパーがダメなら、紙、便所紙、トイレ紙、厠紙、神!!、”上位の存在”のネーミングは神!!、あたしたちが製造した有機構造体は神に対して、祈ったり、願いをかけたりするの、もうこれでいいでしょ」 「お~ま~え~なぁぁぁ(諦め)いや、何でもない」 「あ~あ、今日、あんまり仕事しなかってわね、ねぇ、聞いて、あたし、三日間、自家発電を我慢してるの、たまっちゃってるのよ~、今日はイクはよ~、90分3発は楽勝よ、ささっどこの風俗紹介所にイこうかしら、らぶぅ~、らぶぅ~、らぶぅ~」 ヤツは会議室をあとにした。 ヤツのスマホの画面、いつのまにか風俗店情報のページになっていた。 いつ変えやがった?? このクソな人工知能プログラマーとそいつが作ったアホな製造品、いつまで付き合う?? 実は、オレの部署異動の内示がコッソリ出ている。 この冬のボーナス査定さえ乗り切れば、この部署の不祥事は逃げ切りセーフとなる。 異なる神を信仰する有機構造体を互いを排斥しあう、 アホ製品にプログラミングした自立学習機能、相手を潰す目的で学習能力を上げてくれればとても嬉しい、有機構造体同志で殺しあって絶滅してくれればこれに越したことはない。 万が一、イマジン オールザ ピーポとか世界平和とかが実現してしまったら、その時はまた小惑星をぶつけてエクスティンクション(大量絶滅)やればいい、稟議を書いて、財務と役員会に説明するのはオレじゃない、オレはそのころは他の部署に異動となっている。 結局、このクソな人工知能プログラマーとアホな有機構造体はこのまま放っておくのが最善だ。 だけど、俺は今回、製造されたアホな有機構造体が大嫌いだ、 資料の上の有機構造体の正式名称に絶滅を願って黒々とバツ印がつけられていた。 オレが無意識にやっていたらしい。 「有機構造体正式名称:哺乳類霊長目(サル目)ヒト科 ホモサピエンス」の文字の上に絶滅を切望するバツ印が黒々とつけられていた。
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