足を止めてれば

10/10
前へ
/10ページ
次へ
「……同窓会?」  聞き馴染みのない言葉に頭が冷めてゆくのを感じる。 「確か28日の土曜日だったやんなー! 大阪駅集合やっけ?」  この寒さは、冷たすぎる秋風のせいでは間違いなく無い。 「あー……だった、かな?」 「今度のは結構来るらしいし。せや、高橋は幹事の一人やったやんな?」 「へぇー。そーなんや」 「思い出したらメッチャ楽しみになってきた!」  草加は満足げな笑みを浮かべている。 「じゃ、また同窓会で!」  というと、草加は満面な笑みのまま改札へと消えていった。  あーあ。やっぱり  駅前で《あの時》、足を止めてればなぁ
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加