大学生時代

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翌日、圭吾と待ち合わせて駅前に買い物に出た。 最初は食器を百均で揃えようと思ってたけどその前に立ち寄った雑貨屋にも食器があって、つい見入ってしまった。 季節の変わり目で春向けの食器がセールになっていた。 見ていたのは2つのマグカップとティーポットがセットになっているものとペアのお箸 マグカップは外側が若葉色で内側は桜色だった。 見た瞬間からこのセットのとりこになった。 「圭吾」 「うん?」 「私が買うからさ、これにしていい?」 「これ?」 「内側ビンクだけどさ、圭吾ピンク駄目かもしれないけどさ、これがめっちゃかわいい」 「いいよ」 「マジ?やった〜」 「お箸もこれがいいんだろ ?」 「わかるの?」 「さっきからこればっか触ってるじゃん」 「えへへ」 お箸も一部に桜と葉が小さく描かれていて他の食器とピッタリ合っている。 ただ少し迷った。 お箸はペアセットと個別で売っているのがあってペアの方が大分とお得だった。 「こっちのほうがお得ならこっちでいいよ」 そう言って圭吾は買い物かごにお箸セットを入れるとレジに向かった。 残りの必要な物も買って 家で早速何か作ろう、とスーパーでカレーの材料を買った。 肉ががっつり食べたい、と商店街の揚げ物屋さんでとんかつも買った。 ついでにその店でコロッケも買ってかじりながら帰った。 「あふっ」 「それ熱々なの、一口くれよ」 「あふいよ」 尊は私の手にしていた食べていたかぼちゃコロッケにかぶりついた。 「うまっ、熱くないじゃん」 猫舌かよ、と圭吾は私の唇をみた後、更にかじりつく。 「めっちゃ食べてるじゃん、もうこれだけしか残ってないよ」 私がむくれると尊はじぶんの肉コロッケを差し出した。 「ほれ」 圭吾のコロッケをかじる。 甘い、肉はミンチであんまり存在はなかったけどじゃがいもがトロッとして美味しかった。 翌日、大学に行く時、起こして欲しいといわれていたので圭吾の部屋に寄り一緒に学校へ行った。 学校でもその日は講義が圭吾とかぶっていたから必然的にずっと一緒にいたし、昨日の一緒にいたのを見た人もいるらしかった。 昼休みに友達に尋ねられた。 「そっ、俺ら付き合ってるの」 私、まだ付き合うって返事してないけど… 「マジで、やぁなんでよ」 圭吾にいつもひっついている女子が声をあげる。 「なんでってずっと好きだったんだよ、お前ら彼女に手を出すなよ」 「えー、圭吾に手ぇ出したい」 「俺そういう頭と体が軽い女嫌い」 ニヤリと笑いながら圭吾は言った。 意地の悪い、でも小悪魔的な笑み。 これにコロッといく女子を馬鹿みたいに思ってた。 「そういうから我慢してたんじゃん」 私の後ろにいた同級生の女の子が小さい声で恨みがましくつぶやいた。 振り返ってその声がした方をみると、口を尖らせて怒った表情の女の子と目が合った。 彼女は私を睨んだ後、そっぽを向いた。 私はふと何かを思い出そうとしていた。 高校の時に思っていた何か。 でもその感情をはっきり思い出したのは、それから大分と先のことだ。
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