高校生時代

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高校生時代

「圭吾、また別れたらしいよ」 「付き合い出したの先週じゃなかった?」  「彼女が前の彼氏とまだ切れてなかったみたいでさ、呼び出されたみたい、それで圭吾からジ ・エンド」 「何、二股がダメってマジで言ってるの? 圭吾もゆるゆるじゃん」 「面倒だったからって言うのが本心じゃない」 「悪かったな、ゆるゆるで」 教室に圭吾が入って来た。 「クラブ早かったね」 花梨がゆるやかにかわした。 噂してたばかりだから内心は ドキッてなるけどうまく隠す。 目の前でも同じこと言ってるから。 「なんで尚もいるの?」 「時間つぶし」 「ふうん」 予備校の時間に合わせてるだけだ。 圭吾が私の前の椅子を引いてどさりと座る。 「さすがに懲りたんじゃない?」 「懲りるってなんだよ」 「尊めっちゃ怒ったらしいよ」 花梨がつけたす。 「あぁ、まあそうだな」 「何やったのよ」 「別にやったって訳じゃ、あ、まあ、やってはいるけど」 「最低」 「違うって、俺が尊に言ったからだよ、『ちゃんと付き合うとなると面倒だからこれからは体だけの娘にしようかな』って」 「ますます最低じゃん!」 「尚、お前俺の事、悪く言い過ぎ」 「いや実際そうだし」 「お前最近俺の女の事で文句言わなくなったと思ったらエグいこと言ってるらしいな」 花梨がぷはっと笑った。 「何回も呼び出されるから最初にがつんと言っとくと後が楽だと気付いたの、もうすっかり慣れたわ、マニュアル作れる位」 尊がやって来た。 クラブハウスの鍵を返しに行ってたから遅くなったんだ。 一緒に教室を出た。
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