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アフタヌーンティーの話をしたら、スコーンが食べたくなった、と桜子は散歩がてら近くに店に買いに行った。
出るとき、佐丸はまだ本を読んでいて、芹沢は靴を磨いていた。
芹沢が佐丸に、
「三足持ってきたんだ。
俺のワガママを許してくれた叔父たちの靴を磨いてやろうかと思ってな」
お前も磨いていいぞ、と佐丸に言っていた。
今頃、二人で仲良く……というか、額をつき合わせ、黙々と磨いているだろうか。
そんなことを考えながら、ちょっと笑う。
焼きたてスコーンのたっぷり入った紙袋を手に、ビルの近くまで戻ってきたとき、鳥をくわえている手嶋さんに出くわしてしまった。
「て……手嶋さん」
手嶋さんが野生にかえっておられる……。
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