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蝶々結びをしたからセルシウスは背中にリボンを背負ったような恰好になった。
「なんだ、どうなっている」と背中を気にするセルシウスに、「動きにくさや支障はあるか」と聞いてみる。
「いや、問題ないが…」
「そのサッシュはお世話になった方からいただいたんだ。きっと良い御守りになる」
「お前な、こんな使い方をして贈ってくれた方に失礼だろう」
「そんな狭量な方じゃない」
「いやいや、お前がそう思っていてもな」
どうして名前くらい呼べないのか。
「外したければ自分で外せ。まあ犬には無理だろうが」
「な!」
「そろそろスープもできる頃合いだ。腹ごしらえでもなんでもしてさっさと出かけてくれ」
スープをよそうまでの間、セルシウスはサッシュの端を捕まえられないかと、自らの背中を追いかけてくるくると回っていた。
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