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「しかも今は子供になっていて…もしかして、魔力の交換をすれば元に戻れるとかですか?」
「いいや。しかし理由が必要ならそういうことにしようか」
ふたたび腰を浮かせて軽い口づけをするが、ベルスタの表情はかたいままだ。
「理由があっても…子供となんて罪悪感が…」
「見目に騙されるな、それに十三歳は子供じゃない」
机に腰掛けて、ベルスタの顔を両手ではさむ。少しでも気分を和らげようとにっこり微笑んだつもりが、ベルスタの表情が怖気付いているのを見ると失敗だったらしい。慣れないことはするものではない。
「魔術師に気に入られたのが運の尽きだな」
怖気付かれようとやめるつもりはない。じゃれつくような口づけからしだいに息づかいごとむさぼる。その気がなくてもはじめてしまえば体は覚えている。三度目は抜かりなく、ベルスタのくちびるを陥落させた。
「屋根裏へ行かないならここでするぞ。ほら、脱げ」
「ま、待ってください」とベルスタが言うのと、「ごめーん」と戸口で声がしたのは同時だった。
「来週の注文、わすれ…え?」
クーリエのモルだった。ベルスタを脱がそうとしていた手を止める。
「やあ、モル。どうしたんだい?」
私は寛大に聞いた。
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