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レポート2
空き巣はつかまっていない、一人なのかグループなのかはっきりしないと書いてある。
「神出鬼没、犯人は一人じゃない可能性か?」
「嫌ねー、人んち覗いてもの取りなんて」
「まあそれでも人殺しじゃねえしな?」
「まあな?」
といった一馬はいつものお決まりのポーズを取っている。自覚はないみたいだけどな、考え事するとき、こいつは必ず手を組んで立て肘をつきその上に顎を乗せるんだ。指が何かを数えるようにトントンと動く。
「なに?何か引っかかる?」
一馬はなんか見つけたようだ。
「ン?これ、一人暮らし、それも死んでたから、物取りがわかった、なんかなー、それもなー?」
そういった一馬、孤独死、見つけた時は、金品は取られた跡。
さみしいね、なんていう女子たちだが・・・
「あ、あのさ」
一馬の携帯が鳴った、すると俺たちのも一斉になった。
メール?それも田神さんからだ。
はー?とみんなの声?
大きなため息、みんなで見せあうように中を見た。
田神さんからはヘルプの一文字と詳細は一馬に聞けと命令かよ。
「お前に聞けだと」
はあとため息をつくと、荷物を持って行こうという。
俺たち三人は一馬の後を追った。
「小林さんからだ、何か起きたらしい、迎えに来てくれるそうだ」
「ただじゃいやだー」
「でも小林さんのところって、リサイクルショップ?」
「俺行ってみたい、何か目玉があるかも」
「行く、行く!」
外に出ると、リサイクルショップ小林と書かれたバンが止まっていた。
「悪いな」
「どうかしたんですか?」
「ちょっと奇妙なことが起きてさ、力貸してほしいんだ」
下駄箱で一馬が俺にさっき声をかけただろ、何?と聞いてきたから、あの新聞の記事、家のそば、ただあまり行ったことのない方だと話しておいた。
へー?と言う一馬、靴を履くと俺の方を見て、にやりと笑った。
「何?」
「いやー、あとでな、行こうぜ」
その時は、リサイクルショップの方に頭を持っていかれていたからそれが後でどういうことになるのかは予想できていなかった。
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