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《どうして、こうなった?》
いくつもの曲がり角を右へ、左へと曲がる。十分に走り、息も切れ切れになってきたところで、ようやく私は足を止める。
「撒い…たか」
十字路のようだ。辺りを見回すと、真っ白などこまでも続く廊下が前後左右へと伸び、代わり映えのしない景色が360度私を取り囲んでいる。
私は、なにかから逃げている。
なにかは男の姿をしている。男は私を背後から追いかけてくるかと思えば、先回りして目の前の曲がり角からいきなり出てきたりもする。別段驚かせるつもりはないのかもしれないが、一切表情の読めない男の存在そのものがなんとなく恐ろしい。
「やはり撒いたようだ。とりあえず、出口を探そう」
私は迷路に入った時には左手を壁についた状態で進めば外に出れるという法則を思い出し、白い壁に左手をつくと、廊下の突き当たりまで10mほどの距離を進む。
———次の曲がり角を曲がったところで、背後から肩を叩かれた———
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