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挙式をドタキャンした彼の子を身ごもった私。
彼を恨んではいたけど、お腹の子には罪はないと思い、航空会社『エンペラー航空』の国際線のCAの退職して、実家のある群馬に戻り、出産。
母は快く受け入れてくれたが、女一人で子供を産むコトに関して厳格な父は猛反対した。私と父の間を取り持って、神経をすり減らすカラダの弱い母を見ていると耐えられず、出産して床上げを終えた私は再び上京。
兄のサポートを受けながら
ベイエリアにある式場、二次会会場としての場所の提供から披露宴の演出、ハネムーン旅行の手配まで結婚する二人の門出のサポートするウエディングプロデュース会社『ジュテーム東京』でウエディングプランナーとして親子二人再スタートを切る。
あれから四年の月日が流れていた。
「莉緒(リオ)…わがまま言わないの!!」
「だって…これがいいんだもん!!」
我が娘・莉緒も三歳。
ダイスキな魔法少女アニメ『キュアリン』に嵌り、ずっとそのアニメのTシャツを着続け、首許も袖口もヨレヨレで、食べこぼしのシミもあった。替えのTシャツと合わせて二枚のローテション。
どっちもボロボロで・・・
ママの私にしてみれば、見すぼらしいとしか言いようがない。
「分かった…今日はママが諦める…でも・・・明日はダメよ…」
「どうして??」
「どっちも着すぎてボロボロでしょ?」
「でも、「キュアリン」スキだもん…」
「莉緒がスキなのはママが一番分かってる…楽天で新しいの買ってあげるから…ボロボロになったTシャツはバイバイしよう…」
「ほんとうにかってくれるの?」
「ママ、嘘は言わない…」
「いつ??」
「今日購入しておくわ・・・だから、早く用意して!!」
「分かった…ぜったいよ。ママ」
莉緒は私に念を押して、歯を磨きに洗面所に行った。
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