プロローグ

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地下鉄で新橋駅まで出て、その後はモノレールに乗り換える。 ベイエリアにある結婚式場『ジュテーム東京』が私の職場。 ロビーのタキシードとウエディングドレスの展示品に埃や乱れがないかを確かめ、オフィスへと入って行った。 「おはようございます!!」 まずは同僚たちと挨拶を交わした。 「楠部長が水瀬さんが出社次第、執務室に来るように伝えてくれと言ってましたよ…」 事務スタッフの川尻さんが挨拶の後、私に上司の楠部長のメッセージを伝えてくれた。 「ありがとう…」 私は肩に下げていたバックをデスクの上に置き、フーッとひと息を付き、急いで奥の執務室に向かった。 そして、ドアをノックした。 「水瀬です」 「入れっ」 ドア越しに聞こえる低い声。 「失礼します…」 私はノブを捻って、中に足を踏み入れた。
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