プロローグ

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「・・・すまない…水瀬」 「いえ・・・私の方こそ…出来過ぎたコトを言ってすいません」 でも、世の中の動向を見ても、結婚式場は縮小傾向にあるし、『フロンティアカンパニー』の傘下に入ってしまったら、結婚プロデュース業務をメインにしている『ジュテーム』グループはどうなるんだろうか… 私も楠部長と同じで不安だった。 よりにもよって、私を捨てた宇佐美充斗(ウサミジュウト)が代表取締役を務める会社に吸収合併されるなんて皮肉ね。 「水瀬?」 「あ…すいません…つい・・・」 「実は…その…大変申し上げにくいんだけど…」 「!?」 楠部長は言葉尻を濁し、私に言い辛そうにしていた。 「あの…私に言いたいコトって…」 「『フロンティアカンパニー』の宇佐美社長が君に会いたいと言ってるんだ…」 「えっ!?」 挙式当日にドタキャンして、四年間音沙汰なかったクセに… 今更、私に何の用があるって言うのよ!!? 「君の都合に合わせると言っていた…いつならいい?」 「・・・楠部長は宇佐美社長と…知り合いですか?」 「・・・遠い親戚なんだよ…」 「えっ!?」 二人が親戚?初耳だった。
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