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一年前、僕が小学三年生の冬の事。 母の病気が発覚した。 小学生の僕には病名は覚えられなかったし、母が病気だと知らされても驚きはしなかった。 母が泣きそうな顔で僕を抱き寄せたが、僕にはその行動がよく分からず、 「治るんでしょ?それよりお母さん、今日の夜ご飯はなぁに?」 そう言った。 母はいつもの笑顔で 「今日はミートスパゲッティよ」 そう言い僕は大はしゃぎしたが、その日以来母のミートスパゲッティを食べることはなかった。 病気だと告げられてから母の体調は悪くなる一方だった。 抗がん剤の副作用で体の髪という髪が抜けていった。 まつ毛や眉毛など全ての髪が抜けた母の姿を見て初めて、母が病気であるという事を実感して怖くなった。
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