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「いっそのこと早く死んでくれないかな」
そんな事を僕はつい口に出してしまったことがある。
ハッとしたときにはもう遅かった。
洗い物をする手を父も僕も止めて、父は僕にビンタした。
そんな事を思ってしまったことや、頬がじんじん痛むこと、こんな日々はいつ終わるんだろうという絶望に涙が止まらなくなった。
父は何も言わず濡れた手のまま僕を強く強く抱きしめた。
父は声を押し殺して泣いた。僕はわんわん泣いた。
道徳精神抜きにすると間違いではないのではないだろうか。
障がい者が擁護される世の中が気に食わない。
障がい者は不自由だがその家族もなかなかの不自由では?と思うわけで。
親戚たちが言う「大変ね」「かわいそう」の薄っぺらい言葉に僕と父の苦労の重みは一ミリもない。
僕にはもう一つ絶望していた事があった。
それは、僕がいじめにあっていること。
父にも母にも言っていない。
母が病気だと発覚してからそれははじめった。
もともと友だちが多いわけではなかったが仲の良い友だちは何人かいたし、普通に学校は楽しかった。
けれど、なにがきっかけだったかは分からないがクラスのリーダー格の子たちからいじめられるようになった。
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