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第三章〜傍観者〜
二人は、昼飯を買うと[お気に入り]の場所へ向かった。
二人の[お気に入り]の場所とは、体育館裏にあるコンテナの上だった。
春人は入学当時、日当たりの良い所で昼が食べたいと校内を探検していると体育館裏へ出てしまった、その時ぐうぜんコンテナがあるのに気付き登ってみると、生徒はほとんど通らず静かで日当たりも良く気に入り春人はすぐに草太を連れて来た、すると草太も気に入ってくれた。
その日からここが二人の[お気に入り]の場所になった、二人はいつもの様にのんびりと昼飯を食べていると、足元から声が聞こえ草太がそれを見て春人に「春人…見ろよ」と言われ見てみると数人の女子が一人の女子を囲んで暴力を振っていた、それはあきらかな[いじめ]だった。
「あいつら…飽きねな」と草太が言うと春人が「だな」と言った。
二人がこの風景を見るのは初めてじゃなかった。
なぜなら、二人が入学して三ヶ月くらいしてからの事、いつもの様に[お気に入り]の場所で昼飯を食べていると、その日は珍しく人の声がして見てみると一人の女子が数人の女子にいじめを受けていた。
それを見た草太が「助けるか?」と春人に聞くと少し考え「いや…少し見てる」と言うと草太が「なんで?」と聞くと「助けがいるなら言うだろ」と春人が言うと「確かに」と草太が言った。
二人は傍観者になり、助けを求めて来たら行こうと決めた。
あれから一年が経った、今だに我慢をしている、二人は今も傍観者のまま、
その日、草太がいじめている女子を見て「大人数でいじめて楽しいのかな?」と独り言の様にいいパンをたべた、「さぁー」と春人は牛乳を飲みながら彼女が助けを求めてくるのを待ちつつ傍観者を続け、コンテナの上で横になった。
しかし、今日は違った、いつもの様に横になろうとした時だった、今朝耳にした声が聞こえてきたからだ、春人はいじめられている女子が気になり上から顔を見て驚いた。
なぜなら、その女子は今朝出会った女の子だから、「あの子…」と春人が言うと草太が「花枝…桜だったかな?うちのクラスの子だよ、珍しい…お前が女子の事気にするなんて…あの子がどうかしたか?」と言われ春人は、「いや?別に何でも…」と答えた。
二人がそんな話をしていると昼休みの終了のチャイムがなり二人はクラスへと戻った。
春人は、クラスへ向かいながら彼女の事を気にしていた。
彼女の事が気になっていたとは冬人も気付いていた。
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