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彼女はやっぱり、トロかった。
仕事が丁寧なのはいいけどいちいちラベル合わせて置いたり、言わないと分からない事が死ぬほど多い。
どうやって今まで生きてきたんだ…
あーあれまたあんなきっちり置いていってる。
言いに行こうとすると、直ぐに男共が声をかけている。
やべーな。
男共のそんな行動を女の子達が黙っているわけがなかった。
めんどくせーんだよなぁ。
とりあえず場所ずらすか…
「佐々木さん、駅まで行くけど電車乗らないんだよね。」
男共の情報も早い。
ストーカーしてんのか?
俺は気になって、ストーカーしてみた。
駅まで行くと…え、タクシー乗ったよあの子。
マジか。
俺が言わなくてもその噂は直ぐに広まって、やばい事してるだの、大人の男がいるだの、暇人の餌食になっていた。
そうかなぁ、そんな風には見えないけど。
聞いてみるか。
教えるふりして佐々木を呼びつけた。
「ちょっと仕事の上で知っておかないとだから質問するね。」
「はい。」
「あー、彼氏とかいる?」
「いません。」
「あ、、そう。あと、彼氏がいた事は、ある?」
「ありません。」
「あー、そっか。うん、ごめん。もういいよ。頑張って。」
「はい、分かりました。」
即答とか逆に怪しすぎる。
顔色一つ変えなかったし。
…不思議な子なんだよなぁ。
佐々木は誰ともつるまない。
話しかければ答えるけど、怒ってるのか無表情だし。
わかんねー子だなぁ。
益々興味が募る。。
日曜日…人手が足りなくてめちゃくちゃ忙しい上に男手がなかった。
急遽男共がする酒類を一緒にする事になった。まぁ、決めたの俺だけど。
「佐々木、体力はあるんだな。」
重い段ボールをドンドン積み上げていく。
「体力、は、が気になります。」
手は止めないで言い返してきた。
「ごめん。」
「謝まられると益々傷つくんですけど。」
「あぁ、うん…」
なんだ、めっちゃ言い返すし笑うじゃん。
こんな顔見たことあるやついねーだろーな。
ーーーーーーーーー
「よっ、湊。
佐々木さん、俺いけるわ。」
ロッカーの小さいミラーを覗きこみ、髪の毛にワックスをつけながらほざく奴がいる。
「んあ?どゆこと?」
「昨日さー、ちょっと話したんだけど、あの子俺だけにめちゃくちゃ笑ってくれるんだよね。まぁ、あれは俺に気があるね。」
「あー…それじゃ頑張ってくれ。」
俺はそいつの肩をポンとたたきながら、どうしめてやるか考えていた。
佐々木を呼び出した。
「あのさ、最近告白する遊びとか流行ってるの知ってる?」
「え、知りません。」
「じゃ、教えとくね。」
「はい、お願いします。」
「まず、告白されます。
そしたら、彼氏がいるからごめんなさい。て言うと、相手は喜ぶよ。
悪い遊びだよね。まぁ覚えておいて。」
「へーっ。分かりました。」
よしっ。
次の日、無事ゲームは成立していた。
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