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4人が席に揃うと、まず私からいいですか、と口を開いた。
「今回の件について、心配と迷惑をかけてしまった事謝ります。
本当にごめんなさい。」
「それ。じいじはほとんど知らないんだよ。
ばあばの介護が忙しくてね、あおいちゃんが会社休んでる事、昨日知ったんだよ。顔もそんなにこけてしまって…」
祖父はどうしたんだと言いながらもどこか飄々とお菓子に楊枝をいれた。
「あ、そうだよね、大変な時に心配かけてごめんね。」
祖父に怒られた事はほとんどなく、私は祖父にとって一人息子の娘だからか、かなり甘やかされて育った。
「言いにくいんだけど、これを言わないと進めないから言うね。
私って、パパと血が繋がってないよね?」
言いおわるなり、母と祖父は顔を合わせて驚いていた。
それを見ると不安になり、横の湊を見ると、優しく微笑んでくれた。
私は頷いて、また口を開いた。
「ママの連れ子なんでしょ?」
母は両手で顔を覆いながらテーブルに突っ伏した。
「あああああっ。」
今まで聞いた事のない母の叫びのような泣き声は、これまでいかに母が苦しかったかを想像させて、私はますます冷静になってくる。
今回ばかりは一時の感情で話してはならない。
そこへ父が帰宅して、何事かと椅子に座ると、泣いてやつれた隣に座る母の肩に手を回した。
「パパ、今回の件ご迷惑おかけしてすみませんでした。」
私が父に頭を下げると、母がここまでの経緯を父に説明した。
「パパ、ママ、じいじ、落ちついてね。
私は誰かを責める気持ちは全くないの。
そんなに泣いてしまうほどママの方が何倍も今まで苦しかったよね。」
私の言葉にますます泣いてしまった母は、ようやく顔をあげた。
「どうにかして、あなたには知られないようにしたかったのに。誰かがあなたに教えたの?」
「集まりがあった時に偶然聞いてしまったの。
高校生の時だったよ。」
「ショックだったでしょう?」
「うん、でもすぐにホッとした。
あぁ、だからママはパパにあんなに気を遣ってしまうんだなって。」
母と父は驚いて声が出ないようだった。
それまで静かに聞いていた祖父が口を開いた。
「あおいちゃんは今25歳だったね。長い間一人だけで苦しませて申し訳なかったね。」
「そんな事ないよ…。」
「いやぁ、じいじびっくりした。
あおいちゃんがあんまりにも大人になって。
ここにいる大人達の中で1番しっかりしてるよ。」
「………違う。ずっと寂しかった…。」
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