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〇〇ラー。 そんな言葉が流行っていた時代を過ごした私。 大学生になり、決死の覚悟でアルバイトを始めた。 世の中的には何不自由なく暮らしてきた私にとって、不自由極まりない日々だった。 門限18時。 周りもみんな同じような境遇だったから支障は無かったが、私には窮屈な毎日だった。 親の監視下に置かれた日々は、成長する度にその籠の外の世界の広さを知りたくなる。 今では当たり前のインスタもブログもYouTubeもない。 なんならインターネットがない家庭の方が断然多かった時代。 好奇心旺盛だった私はまずはとにかく自分でお金を稼いでみたかった。 バイト先はディスカウントスーパーの品出し。 バイトの情報誌を買ってカフェに入り、ペラペラめくってパッと開いた所で目に入った適当な家から遠い所を選んだ。 そこで(みなと)と出会った。
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