289人が本棚に入れています
本棚に追加
だけど抱きしめられる腕のぬくもりとかすごくリアルだ。
ドキン、ドキン。
俺の胸が大きく鼓動する。
「この、まま……は」
とか、やっぱり
「ダメ?」
そっと顔色を窺えば――。
「ああっ、もう可愛いなぁ。ほんとう楓、可愛い!」
むぎゅううう。
「ふわわわっ!」
ワガママを言ってみたら、
よりいっそう強く抱きしめられた。
「あ、あの」
狼狽える俺を余所に。
チュッ、チュッ。
旋毛、頬、それに両瞼。
たくさんキスが落とされる。
「り、りつさっ!」
顔を上げたら、
「……んむ」
唇を奪われました。
そして――。
「このままとか生き地獄だな……」
俺を強く抱きしめながら。
ぽろり。
律さんは大きなため息をついてそう言った。
**END**
最初のコメントを投稿しよう!