俺は犬を拾った

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俺は犬を拾った

俺はアクア。庶民で、仕事は薬草の研究職をしている。 俺が働いている研究所は国立で、結構難関だ。庶民は少なく、圧倒的にお貴族様が多い。 何が言いたいかって?うちの研究所はブラックだってことよ。 朝6時出勤。帰宅するのは12時回ったころ。 でもね!?それは庶民だけなんだよ? お貴族の皆様は優雅に、10時出勤3時帰宅。おかしいだろ!? しかも、おまけに庶民いびりの数々にお貴族の分の仕事もやるし、お貴族の接待だってする。 庶民というだけでこき使われるのだ。世の中理不尽だよね!? 入所した時には10人ほどいた同僚も、今では俺含めて3人になっている。 庶民いびりに耐えられなくて辞めていったのだ。 癒しだった彼女も、俺の仕事が忙しすぎて会えないせいで振られてさぁ。 俺って何のために生きているのかな?って自問自答する日々。 いい加減、この仕事辞めようかな。いつも、毎日そう思う。 他にも研究所はたくさんあるわけだし。でも、給料はここが一番多い。辞める人が多いからかもしれないが。 俺には、病気の母がいた。父は母を生かすためには金は惜しまなかった。そのため、俺には借金がある。 父は、母が亡くなった翌日自宅で首をつって死んでいた。 こうして、俺は14歳にして家族を失った。 それから孤児院に入れられて、必死に勉強した。 この国では学園は貴族しか行けないが、奨学生になれれば俺でも学園に行ける。 これを使わない手はない。毎日の努力の結果、俺はアレクサー国立学園に入学することができた。 俺は学園生活で学力と忍耐力を身に着けた。 なんせ、学園生徒はほぼ全員が貴族だ。庶民なんて片手で足りるほどしかいない。 イジメなんて当たり前だ。教科書を破られないように常に持ち歩いた。 水をかけられたときのために、タオルを常備した。 心が折れそうになったこともある。でも、そうなったら喜ぶのはあいつらだけだ。自分に何度も言い聞かせる。 心配してくれる人なんて誰もいない状況で、少しずつでも確実に俺の心は削れていった。 それは研究所に入所してからも変わらず。 俺は作り笑いが上手くなった。自分の本心を表に出さなくなった。だんだん諦めてきた。 そんな日々の帰り道だった。 通りを歩いていると、裏路地のほうからドサッという、何かが倒れたような音が聞こえた。 いつもなら気にしないようなこと。でも、その時はその音がやけに大きく聞こえた。 「なにか倒れたのか?」 ひとり呟いて、裏路地に入る。 そこには、傷だらけの犬がいた。 「おい!大丈夫か?意識はあるみたいだが…時間の問題だな」 俺の声に反応しない。こいつはもうだめなのだろうか。 ゆすってみると、目を開けた。 しかし俺は、生気のない虚ろな目を見るとなんだかほっておけなくなった。 昔の俺に思えたのかもしれない。理由は定かではないが、その犬をうちで引き取ることにした。 どうせ一人暮らしだ。誰にも迷惑はかけないから大丈夫だろう。 犬を抱えて家路を急ぐ。 その日から、一人と一匹の生活は始まった。 ~~~~~~~~~ こんにちは!美空です(^O^) 投稿が遅くなり申し訳ないです。(>_<) ところで、皆さんは褐色系イケメン×美少年のカップリングはお好きですか!? 私は、アンパン〇ンの登場人物、カレーパン〇ン(俺様褐色系イケメン)×食パン〇ン(儚い系美少年) という、(´∀`*)ウフフなカップリングを思いついて、勢いに乗って書いてしまった次第です。 土日など、時間のある時に頑張って更新するのでよろしくお願いします。 本棚登録、ページコメント、感想など励みになります!よろしくお願いします。
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