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『Dear 太陽さん
お元気ですか?僕は元気です。
こちらでは今年初の雪が降りました。毎年けっこうつもります。
僕は雪が苦手です。どうしてかというとすべって転んでしまうからです。
僕はあまり運動がとくいではないのです。
この間も体育の時間にドッジボールをやったんですが、よけようとして転んでしまいました。幸太郎にはおもいっきり笑われてしまって、くやしかったです。
太陽さんは運動はどうですか?
From 北風』
『北風さんへ
僕も元気です。
僕は雪がつもったのを見たことがありません。
北風さんは運動が苦手なんですね。
僕は得意なので北風さんが転んだら支えてあげたいです。
あ、でも積もった雪は経験がないので僕も転んでしまうかもしれませんね。
そうしたら一緒に転んでみるのも楽しいかもしれません。
うちで飼っている犬のジョンはかけっこが好きなので雪がつもっていてもお構いなしに走り回りそうです。
いつかジョンに会わせたいです。
ところで、幸太郎というのは誰なんでしょうか?気になります。
太陽より』
文通を始めてもう何通目だろう。夏が来て秋が来て、冬が来た。
太陽さんとの手紙のやりとりは楽しいものだった。
一通一通は短いものだったけれど、太陽さんとの手紙のやりとりは僕にとって『日常』だった。
それくらいなくてはならないものになっていた。
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