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第15話神話の森最深部 GORIRA2
「う、うーん。・・・ここは?」
あれ?ボク何してたんだっけ?確か鹿と猪が・・・それでゴリラが・・・ゴリラっ!?
「あのクソゴリっ・・・痛っ~~!!」
意識がだんだんとハッキリしてきたら、顔面に鈍い痛みが走った。・・・そうだ。思い出したわ。あのゴリラにワンパンで沈められたんだったわ。
「うわぁ、めっちゃ腫れてるわ」
手で顔に触れると、頬がパンパンに膨れ上がっている。折れてはなさそうだけど、こんな腫れて・・・良く生きてたなボク。
「いてて、顔ほどじゃないけど身体中痛いな。全く動かせん」
ボクは起き上がろうとして・・・諦めた。全身がズキズキする。
良くみるとボクはリングから遠い位置に倒れてるわけだけど。えっ?ワンパンであんな吹っ飛ばされたの?十メートル以上は離れてるんだけど・・・改めて良く生きてたなボク。
「そういえば、あのゴリラどこにいったんだ?」
顔を上げて見渡してみるが、あの忌々しいゴリラがいない。
よくよく考えると、あのゴリラって謎だらけなんだよな。ボクに止めを刺さない意味がわからないし、リングを作って殴り合いを求めたり・・・どう考えても普通の魔物じゃない。
まぁ、その普通じゃない行動のおかげで生き延びてるんだけどね。
「あのゴリラめ・・・いつかふがっ?ふがふがっ!?」
うぉっ!?なんだ?口に何か詰め込まれた!ってゴリラ!お前かよっ!!ずっとボクの頭元におったんかい。
に、苦い!こいつボクの口に何入れたんだ・・・口中にえぐい苦味が広がって・・・おぇぇ・・・
「ふがっ!?ふがっ!!」
「ウホッ?」
はてな顔で、ボクの口に再度葉っぱを詰めるゴリラ。違うそうじゃない!おかわりなんて求めてない!
ていうか、葉っぱを詰めてたんかい!嫌がらせか?嫌がらせなのかっ?
「ふがふがっ!・・・ゴクン。ええ加減にせいよお前っ!!」
「ウホッウホッ♪」
勢いよく起き上がり、ゴリラに殴りかかるも余裕で避けられた。そんなボクの様子がよっぽど嬉しいのか、笑顔で小躍りをするゴリラ。
・・・チクショウ。絶対こいつぶん殴る。
「ウホホ♪」
「・・・はっ?」
颯爽とリングの上に飛び乗り、ボクに向かって手招きするゴリラ。
ウソだろ?このゴリラ、全然歯が立たなかったのに・・・しかも満身創痍なのに・・・また戦えと・・・?き、鬼畜だこのゴリラ!
「ちょ、ちょっと時間を貰えませんか・・・えっ。あれっ?」
ふと、自分の身体から痛みが消えてることに気付いた。むしろ、身体が軽くてベストコンディションと言ってもいいくらいだ。・・・なぜ?
思い当たる節は・・・あの葉っぱか?えっ、マジか。いやいやいや、だって葉っぱだよ?
あの葉っぱが、ポーションの原材料だったりとかしたらあり得るの・・・か?
何にせよ。あのゴリラはボクとさっきの続きがやりたくて、ボクを回復させたみたいだ。どんだけ戦いたいんだよ。
「ウホッ!ウホッ!」
「くっ、やるしかないのか・・・」
ゴリラが急かしてきて、考えるヒマもくれやしない。逃げ出したとしても・・・すぐ捕まるだろうな。
今やれることは、ゴリラが満足するまで戦うしかないみたいだ。ははっ、あのゴリラが満足するまでボクは一体何回ぶっ飛ばされるんだろうな・・・。
幸いなのは、あのゴリラがボクを殺す気がないってことだ。試されるのはボクの根性ってとこか。
「オラァ!かかってこいやぁっ!!」
「ウホホッ♪」
「ふべらっ!」
ゴリラのえげつないアッパーを受け、空中に吹き飛ぶボク。
いつ終わるとも知れない地獄が今始まる。
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