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「なっ……ちょ、サウル、近いって……」
「んー?」
大鎌を抱えた少年―――サウルは、茜に詰め寄るように顔を近づけた。
周りには、人が居ない。
茜の顔が、心なしか紅く染まる。
「……何顔紅くしてんの?」
「っ別に!?」
「ふぅん、まぁいいや。………ね、提案なんだケドさ、あのばーちゃんなら殺していいだろ?」
「だから殺しちゃ駄目って言ってんでしょ!?」
「なんだよ、いつも“シスターがうるさい”って愚痴ってんじゃん」
「それとこれとは話が別!とにかく――――」
「茜ー?」
茜が再度サウルをたしなめようとした時、校庭の反対側から一人の少女が呼びかけた。
「とにかく、誰も殺しちゃ駄目だからね!
ごめん彩香!今行く!」
サウルにコソコソと耳打ちした後、茜は彩香に向かって大きく手を振った。
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