152人が本棚に入れています
本棚に追加
「流星なんて、大っ嫌い!」
「そうかよ! だったら嫌いでいればいいだろ!」
私の言葉に、流星が本気で怒ったような顔つきで横を向く。
こんな風に言ったら、少しは気にしてもっとかまってくれるかもしれないと思って、あえて言ったことだったのに、私の思惑は大きくはずれてしまった。
「…何よ。ふつうホストとかだったら、嫌いとか言われたら、もっとやさしくしてくれたりするもんでしょ…」
お客である私に少しも媚びる様子もない彼に、文句をぶつぶつと口にすると、
「ふぅーん、おまえがどういうホストと付き合いがあったか知らねぇけど、
俺は、客に取り入ろうなんて、別に思ってないから」
流星が、まるで態度を軟化させる素振りもなく、素っ気なく私に言い放った──。
最初のコメントを投稿しよう!