152人が本棚に入れています
本棚に追加
「あんな風に怒ったりしたら、今まで出会ったホストたちは、大抵がなんとか取り入って私の機嫌を取ろうとしてきたから……」
「そうかよ…」
ぶっきらぼうに彼が応える。その様子はどちらかと言えば、不機嫌なのは当の流星のようにさえ窺えた。
「うん…だから、あなたもそうなんじゃないかって、勝手に思っていて……」
流星がタバコの煙をふーっと白く吐き出す。
「おまえさぁ……ここ、どこだか知ってんの?」
「えっ?」
ふいにそんなことを訊かれてとまどう私に、
「ここは、他とは違うホストクラブなんだよ。ホストが客を選ぶ、特別の場所だ。そんな場所で、おまえの常識なんかが通用するわけもないだろ」
そう当然のように話した──。
最初のコメントを投稿しよう!