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「キスは、俺からさせろよ」
同意も得ないまま顎が強引に引き寄せられて、まるで噛み付くように口づけられた。
わずかに開いた唇の隙間から、舌がするりと入り込んで、私の舌を絡め取り、喉の奥へと攻め入ってくる。
ちゅ…っと湿った音を立てて唇が離れると、彼のキスに翻弄され全身から力が脱けたようになった。
「……。……こんなのって、ズルい」
「ズルい? 何が?」
私の取り上げたグラスを手にした流星が、中身をひと息に飲み干して、ごくりと喉を鳴らす。
飲み終えて、拳でぐいと横に唇を拭う仕草さえもかっこよくて、目が奪われてしまう。
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