Escort 流星

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「こんな深いキス…するなんて」 「こんなキスも、されたことなかったのか?」 薄く唇の端で笑っているその顔を、上目に見つめる。 「されたことがないわけじゃ……。だけど、お店の中でなんて、こんなことふつうはしないから……」 「ここは、ふつうじゃないって言っただろう」 鋭く切れ上がる眼差しで、私の瞳の奥がじっと見つめ返される。 その目が放つ魅力に惹きつけられ、あっという間に心まで奪われてしまいそうになる。 「ここは、他にはない特別な場所だからな。 それにおまえも、他にはいない、俺だけの特別な女だから」 甘く耳をくすぐるセリフに、彼が自分を選んでくれたことを幸せにすら感じてしまう私は、この普通じゃないホストクラブに、 そして、流星に、 飽きるなんてことは、きっともう永遠にできないのかもしれないと、そう感じた──。 END
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