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「ねぇ、天馬? 天馬はどうして、私に声をかけてくれたの?」
尋ねると、天馬は丸くつぶらな瞳でじっと私を見返して、
「そんなの、当たり前じゃない?」
と、口にした。
「当たり前って、どうして…?」
「君だから、声をかけたんだよ。当然でしょ?」
甘ったるい声音で、耳元に囁きかける。
「でも、それじゃあ理由になってない…」
「理由なんて、必要なの?」
と、私の唇に指を押しあてて、
「僕には、君が必要だっただけ…」
口元にふっと愛らしい笑みを浮かべた彼に、そんな風にも言われると、それ以上は何も聞けなくなってしまう……。
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