Escort 銀河

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「なら、飲んでみるか? まぁ、弱くはないけどな…」 差し出されたグラスを受け取ると、指の先が重なって触れ合った。 「あっ…」 指が触れただけなのに、胸がとくんと跳ね上がる。 動揺を抑えるために、手渡されたバーボンロックを飲もうとした。──と、急に銀河にその手を止められた。 「やっぱ、やめとけって。それ、けっこう強いからな。おまえは、飲まない方がいいって」 私の手からグラスがすいと抜き取られる。 「だけど、飲みたかったのに…。銀河がどんなのを飲んでるのか、知りたかったから…」 銀河が再びグラスに口をつけて、(あなたが飲んでいるそのお酒が、私も飲んでみたかったのにな…)と、心の奥でぼんやりと思いながら、バーボンを飲む彼の仕草を目で追った。 「だったら、こうすればいいだろ…」 銀河が、ロックグラスの中身におもむろに指をつけて、 「ほら…舐めてみろよ?」 と、バーボンの薫る指先を私の口元に差し出した──。
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