Escort 銀河

7/13
前へ
/65ページ
次へ
「そっか…なんか言ったようにも思えたけどな?」 銀河がグラスに唇を押しあてて、またごくりとバーボンを呑み込む。 喉元を上下する男性らしい隆起を見ていたら、さっきのバーボンの味が再び口の中に沁みて広がった。 「ねぇ、銀河…」 アルコールに濡れて艶めく唇が色っぽくて、触れてみたいような衝動に駆られる。 「……銀河、ねぇ…」 繰り返して名前を呼ぶことしかできない私に、 「言いたいことがあるなら、はっきり言えって」 テーブルにグラスを置き、銀河が口にして、 「……キス、してほしいの…」 なけなしの勇気を振り絞って、彼にキスのおねだりをしてみた。 「キス…?」 と、銀河が聞き返してくる。 「ダメなら、いいの…」 急に恥ずかしくなり、顔をうつむけた私の耳元へ、 「いいぜ…目、閉じろよ」 銀河が低く甘ったるい声で囁きかけた……。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

152人が本棚に入れています
本棚に追加